志摩半島の稜線の彼方に熊野灘が少し見える。太陽が南中するころの海が真冬は黄金色に染まる光景と出会う。さらに海の向こうには東紀州、そして。紀伊山系を望む。くまの古道の彼の地まで見えるコトに感動を覚える。若い頃、いくつもの峠を自転車で越えて、旅をした。その旅立ちの一歩が伊勢志摩の峠だった。中学生の週末はサイクリング漬けの生活で、国土地理院の20万図と5万図、場所によっては2万5千図をも駆使して、全ての道を走破した。あれから、かれこれ、そして。還暦を越えた。60年もの歳月を重ねていた。旅と写真と自転車。そこで培って来た「モノ」がある。こころからこころへ伝えるコトがある。
いくつもの原風景に今の現風景を重ねるのが「写真家」の仕事になった。
春夏秋冬、四季自然、四季彩と二十四節気を巡る旅がつづく。原点回帰の旅は彷徨。ときおり、松尾芭蕉になったり、じゅっぺんしゃいっくになったりする。なにかするとシルクロードに想いを寄せる。去年スポーツフォト以外のジャンルのストックフォトが海外で売れた!風景写真が売れた!写真家としての夢の第一歩が始まったのである。まさにプロフェッショナルフォトグラファー。良い響きだ(笑)。
黄金色の海の次は、竜神が空に出現して浮かんだ!夕陽の頃、仏様の宴が始まり、東の空にはかぐや姫!胸は死ぬまで「ときめき」を忘れてはいけない。素直に恋をしなさいとまあるい月が笑って見える(笑)。