新緑の森、薫風。野鳥のさえずりが谷間に湧き出でて、のどけき「ひととき」に弁当を広げて、本日のターゲットは「アオバト」に「カケス」、ついでに「オオルリ」。オオルリなどは川筋が違うけれど。まっすぐ向かって飛んできて、手を伸ばせば「さわれる」距離で。大自然の人気が皆無な環境で、カメラを近くに置いて、先ずはランチタイムを楽しんでいた。
「いきなり」。
ものの見事に「静寂」がすべてを包み「音」が消えた。残ったのは「風」と「滝」の音だけが一段と高く聞こえ、よけいに不気味な緊張感が辺りを支配した。我々は「直ぐ」には状況がわからずに「さえずり」を待った。
遥か高空に「猛禽」のシルエットを見た。標高1400mを悠に越える稜線の天空にさらに「もう一羽」種類の違う「シルエット」が悠然と5月の風に乗っていた。生命感が「皆無」になったのはそうゆうコトだったのだ。
冷たい「山岳」の風が強く吹き始め、フリースの襟を立てても「寒さ」が凌げず、タオルを首に巻く。ますます、風が強くなり黒い雲が稜線を高速で流れ始め、雨が落ちてきた。こんな条件の時は「カモシカ」だよなあ~「遭えれば」好いねと「会話」をしながら、山を降り、こっちの川筋も見てきますか?などと言っていた「矢先」。なんと目の前に現れた!
で、信じがたき「ランデブー」はどれほど「続いただろうか?」結果的にだが、使える「カット」が100枚を超えていた!撮影ポジションも数回変えて、最後は「顔」のアップになるまで、近づいた!その間、後ろ足で「首筋」をかゆいのかなんどもかいた。口をもごもごさせて「反芻」も。話しかけると首をふるしぐさ(偶然だろうが)。相当な「老齢」のオスである。人間と出遭ってしまった「不幸」に慌てるコトも無く「ポーズ」を何度も取り、撮影に付き合ってくれた。こっちも還暦を越えている。もう、これ以上くっついて「急斜面」を登るのは御免こうむりたい(笑)。
糞も採取し、見渡せば。そこはねぐらへ帰る「獣道」がくっきり。本当の「最後は」撮影最短距離を割っていた(笑)。急斜面を這い上がっての「追跡劇」でもあったのだ(つづく)。