まさに厳冬以外の言葉は無い。烈風に雪混じり、いっきに指先の感覚が無くなり、痛さを通り越した。やばい、凍傷寸前と体が認識。感覚は戻るんだろうか?さすがに恐怖と不安が入り混じる。三脚を据えようとしたら凍てついた冬山で一瞬突風にもあおられて飛びそうになった。冷え切った風は重く痛い。で、非日常の感覚を越えて襲ってくるんで、理解できないまま大自然の猛威に翻弄される。服装は完全冬山装備なんだけれど。指先だけ、薄手のインナー手袋に滑り止めのついた軍手。これで今までやってきたが、本日の冷え方は尋常ではなく、未体験ゾーンにあった。それでも根性でシャッターを切った。あまりにもクリアな風景で、夜明け前から富士山がくっきり!愛知、静岡、山梨が快晴!大型高気圧が勢力を保持したまま、日本上空へ寒気を供給し続けていた。南アルプス、御岳、白山などの積雪も肉眼ではっきり見えた。
寒気団が豪雪地帯の伊吹山を越え、鈴鹿山系を越え、アルプスからも吹き降ろす。遮るものが皆無の伊勢湾から吹き上げて、烈風は頭上で、吠えつづけている!伊勢湾、伊勢志摩、紀伊半島上空はこれもまた、山岳に雪を降らせてなお、冬の光景を伊勢志摩に演出する雪雲が襲来となっていた。
東に目を移すと豊穣の海が、朝陽の頃にあって黄金色に染まりだしていた!
で、昨晩の23時に自宅を出て、山道を一人。約8kmを登山した。小生の武器はハスキーの三脚と大きめの真鍮の鐘だけ。部屋の中では大きな音で耳が痛いくらいなんだけれど。暗い山道では自転車のベルにも及ばない感じ(笑)。とにかく大型の野生動物との出会い頭だけは避けたいんで、指先が痛くなるほど降り続けて、山頂を目指した。撮影を始めたら手首も痛くなっていた。よほど夜道が怖かったのだろう(笑)。