伊勢、五十鈴川(ISUZUGAWA)野鳥の四季彩、冬物語。
冬枯れた穂にピントを当てると逆光に輝く五十鈴川(ISUZUGAWA)がレンズの丸ボケの中で、もうひとつ、ゆらゆらと風にゆれる光景が浮ぶ。写真でしか見られない独特の描写である。撮影ポジションを変えてみた。見えなかったモノが見え、野生がぐんと近くで見えてきた。
鼓ケ岳稜線に目をやると猛禽類がホバリングの真っ只中!猟を失敗して、超低空で目の前を飛翔してゆく。じつに悠然とかっこいい。
猛禽類も大中小と存在する。川の葦原は蘆だけではなく、様々な木々も育ち、密集する。そのエリアの王者は百舌。けたたましい鳴き声が大気を切り裂く!
葦原は流木や枯れ葉やさまざまな冬の残骸が川の流れで運ばれて堆積する場所がある。そのふかふかのじゅうたんの下では冬陽をたっぷり受けて、虫達が春を待つ。
天地、水中に餌は豊富なのが、五十鈴川(ISUZUGAWA)である。源は神宮林。伊勢の人々は口々にこの自然の豊かさは神宮林のおかげと日々の生活の中で口にする。小生も含めて、川辺の散歩を日課とする老人達の姿は、日々、聖地巡礼に違いない。野鳥達との出逢いは神々の使いと出会う、ひとときのように感じるのは小生だけではない。
愛くるしい目をした野鳥が至近距離に飛んできた!小生に興味があるみたいで、うれしい。野生との出逢いで、胸がときめく瞬間でもある。
それでも二十四節気、暦は小寒(しょうかん)。冬の日の入りは早い。鼓ケ岳の稜線に太陽がおちる瞬間、冬枯れた五十鈴川(ISUZUGAWA)の水辺の風景が黄金色に染まる!
冬物語はまだまだ、つづく。薄暮の中で、漁をするのは五十鈴川(ISUZUGAWA)最大の野鳥の登場である。陽が落ちた時間帯にぐっと距離が近付く。
気温は急降下する。カワセミのチェイスが目の前で、始まったがあまりの冷え込みに退散、退散(笑)。